父の秘密 自分の父親を調査してもらった女性
冷え切った夫婦関係を続けているお父様の幸せを願い、浮気調査というよりも幸せ調査を依頼してきた女性のお話です。 ※体験談を元に、フィクションを交えて構成しています。弊社にご依頼いただいた案件ではございません。
探偵事務所からの報告
仕事で東京に戻っていた父が会社で倒れ、予断を許さない状態になった時、探偵事務所に依頼をしていた報告書が届きました。 父の相手は、私が思っていた通り父の行きつけのスナックのママでした。 父の住むマンションにママがやって来て、父の布団を干したりベランダ越しに掃除をしている姿の画像がありました。週末にママの家に父が泊ることはあったようですが、二人は一緒に暮らしてはいなかったようでした。 父と仲良く一緒に買い物をしている画像も収められていて、父がどんなに幸せであったのかがよくわかりました。
冷めきっていた両親の関係
私が物心ついた時から、両親の仲は冷えきっていました。 父は転勤が多く、長らく単身赴任生活を送っていました。 母は一度として父の赴任先へ行った事は無く、一か月に一度は私に会いに帰ってくる父に対しても専業主婦だというのに、父の身の周りの世話をするどころか、父と顔を合わせようとはしませんでした。 そんな状態でも父は文句ひとつ言わず、真面目に働き、母に給料の殆どを振り込んでいました。
私には父も母もやさしく、親として沢山の愛情を注いでもらっていましたが、二人の関係は完全に戻る事は無いと、子供心に感じていました。 そんな私も社会人となり、両親にはそれぞれ幸せになって欲しいと願うようになりました。
父は私には決して母の悪口を言ったり、愚痴を言う事はありませんでしたが、母は父の事を浮気が出来るような甲斐性も度胸もないとあからさまに見下し、金銭的な保証と好きな事が出来る毎日に満足のようでした。
父の別の顔
ある日、私は仕事の休みを利用して母には内緒で、父のいる地方へ遊びに行きました。仕事が終わった父と待ち合わせをし、食事をしました。 父もとても喜んでくれ、馴染のお店に連れていってくれました。 父の行きつけのスナックは、カウンターとテーブル席が2つほどの小さな家庭的なお店でした。 カウンターにいたのは、美人ママとは言い難く、母と年も何ら変わらない小太りで、ママと言うより、母性に満ちた女性が元気にお店を切り盛りしていました。
私を見るなり、いつも父にお世話になっていることや「こんな綺麗なお嬢様がいるなんて。」と手厚い歓迎をしてくれました。 お料理も特に気取った物ではなく、どこか懐かしい家庭料理で、何より明るいママさんの会話に美味しいお酒を存分に楽しめました。 家では見たことのない明るい父の笑顔がとても新鮮で、自分の知らない父の一面を見たようで、父も外では楽しく暮らしているのだなと、安心しました。
父の幸せを願い探偵事務所へ調査を依頼
父はもうすぐ定年になります。私達の為に一生懸命に働いてくれたのだから、残りの人生を幸せに穏やかに暮らしてほしいと、私は願うようになりました。 父がスナックで見せた楽しそうな笑顔が頭から離れなかったのです。 私はネットで信頼できる探偵事務所を探し、単身赴任先の父の身辺調査を依頼したのです。それは、父の浮気を裁くというよりも、応援したい、幸せになってもらいたいという一身だったのです。
父の急死
急な会議で東京本社に来ていた父が、会社で倒れたと連絡がありました。 脳梗塞でした。このままこの状態が続くかもしれないし、今夜明日になるかもしれないそんなな状態でした。 そんな時に、お願いしていた探偵事務所からの報告書が届いたのです。 私はすぐにスナックのママに連絡を入れました。ママはかなり動揺し、私なんかが見舞って良い物かと遠慮しましたが、すぐに来てくれました。
母が来ない時間を見計らい、ママを病室に呼びました。 ママのふっくらとした手が父の手を握った時、何となく父の顔がピクッと反応したように見えました。まるで父が「ありがとう」と言っているようでした。 ママが帰ったその日の晩に父は息をひきとりました。 何だか笑っているような幸せそうな顔をしていました。
探偵事務所に感謝
スナックのママは、10年も前から男女の仲というより父のお母さんのように、ずっと父を支えてくださっていたようです。探偵さんのおかげで父が大きな愛に支えられ幸せに暮らしていたことがわかりました。最後に二人を会わせることができ、感謝の気持ちいっぱいです。この秘密は私がずっと守り続けていこうと思います。
悲しい事にお父様は急死されてしまいましたが、最期に心安らぐ大切な方に会えて最高の親孝行をしたのではないかと思います。本当に良かったですね。 中央リサーチ岡山では、些細なご相談でも親身になって受け止め、依頼主の気持ちに寄り添います。一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。
